【星座を構成する固有名のある星】
・α星(0.1等)カペラ - Capella
スペクトル型 G5Ve+G0V
ラテン語で「雌の子山羊」という意味で、小さいものや可愛いものを指すときの言葉。
古代バビロニヤでは「ディルガン」または「イク」と呼ばれ、最高神マルドゥクの星といわれました。
この星が新月と西の空に並ぶ日が元日として、当時の天文学者はトランペットを吹いて人々に知らせたと伝えられています。
エジプトでは、紀元前5300年から1850年の間に建てられたカルナックを初めとした5つの神殿は、カペラの光を神の像の目に
導くようになっていたといわれています。神殿に残されている星図には、羽の冠を身につけた男が手を広げて持っている猫のミイラが描かれています。
インドでは「ブラーマの胸の星」として崇められていました。
アラビアでは、この星が一番に北の空高く輝くので「星のおさ」と呼ばれていました。またほとんど同時に昇ってくる
プレアデス星団を「らくだの群」と見てカペラをその先頭に立つらくだ使いと見ていました。
もっと古い時代には、他の星々がメイシルと呼ばれる勝負をする人々で、カペラは後ろで見張りをしている者といわれていたそうです。
・β星(1.9等)メンカリナン - Menkalinan
スペクトル型 A2W
アラビア語でアル・マンキブ・ディルイナン(手綱をとる者の肩,または鹿を抱く者の肩)という意味です。
・γ星(1.7等)エルナト - Elnath
この星は、もともとおうし座とぎょしゃ座の両方に属していましたが、現在はおうし座のβ星です。
1922年に、どの星も一つの星座だけに属するように星座境界が整理されたので、
正式には現在のぎょしゃ座γ星は欠番になっています。
・ζ星(3.8等)ホエドゥス・プリムス - Hoedus I
古代ギリシアではこの部分を「小山羊座」という独立した星座でした。ラテン語ではこれをハエディ(小山羊)と
呼び、Hoedus I のホエドゥス,またHaedus ハエドゥスは、その単数形で、現在このζ星をホエドゥス・プリムスと呼ぶのは
η星をもう1匹の小山羊とみていたためだといわれています。
・η星(3.2等)ホエドゥス・セクンドゥス - Hoedus II
ラテン語で「第二の小山羊」という意味で、ζ星と同じ由来です。
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