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七夕 と 天の川銀河 U


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ギリシャ神話の天の川

 ミルクのように輝く天の川は、 白くオリュンポスに住む女神ヘラが、赤ん坊のヘラクレスにお乳をあたえたところ、 あまり強く吸ったので、お乳がほとばしって出来たものと伝えられています。

それで、天の川のことを、ギリシャ語では「ガラクシアス(ミルクの道)」英語では「Milky Way(ミルキーウェイ)」といいます。 ◆◆




光の橋 .. フィンランド

 昔、ズラミスとサラミという夫婦があり、死後天へと昇りましたが、別々の星に住む運命となってしまいました。
 二人は、愛する人と一緒にいたい一心で、千年もの月日をかけて、ついに天上に光の橋をかけました。 二人は両側からそれを渡って、シリウス(おおいぬ座)で出逢い、そこで仲睦まじく寄り添うことができました。

 シリウスは冬の夜の王と呼ばれる星で、北欧では日本よりもずっと南の空低く輝いていて、近くにうっすらと天の川がかかっています。


 かれらはこつこつ働き、千年でつくりあげた
 力強い愛の力で...
 そして天の川はつくられた
 星の光の橋のように...
 ・・・詩人ザカリス・トペリウス/19世紀フィンランド ◆◆





天上の道

 エジプトでは、女神イシスがティフォンという怪物に追われて逃げた時、 道々に麦の穂をにこぼしながら逃げたので、 それが天の川に見えるのだといわれていました。
 ギリシャでは、天の川の銀色の道をはさんで神々の宮殿が立ち並んでいると信じられ、 インドでも、神々が天へ昇る道であると伝えられていました。 ◆◆





魂の道 .. アメリカインディアン

 アメリカインディアンの間では、天の川を「魂の道」といって、 親しい人の魂が、北風に吹かれながら南へと渡っていくのだといわれ、 天球のあちらこちらに光っている青白い星は、旅の途中の人々が、とろとろと焚いている炎であると伝えられています。
 また、来世の土地へ続く道ともいわれていました。

天の幅の広い白い道は
亡霊たちの歩道
天をまっすぐ横切って走る
亡霊でこみあって
ポネマーの王国へ
来世の土地へ ...
・・・ロングフェロー/イロコイ族 ◆◆





魂の道 ... 北欧

 北欧では、女の戦士達が、神々の住む天の原へと、戦死した勇士を馬で運んで行く道といわれていました。
 スウェーデンでは「冬の道」と呼んで、冬の夜、亡き人たちが渡ってゆく道といわれ、 一部の地域では「鳥の道」と呼び、魂が鳥となって天国へ飛んで行く道で、 道の近くに白い雲が浮かぶのを、その魂の鳥達の歌声が一つに集まったものだといわれていました。
◆◆





天使の道

 中世、天の川は天使が地球に降りてくる階段として聖書に記された「ヤコブの階段」であると伝えられ、 ウェールの伝説では、この天使はケルト神話の強力な魔法使いや悪魔とされています。 そして天の川は「ケール・グイディオン(グイディオンの天の砦)」と伝えられました。 ◆◆





神の道 .. 詩人オービッド

ローマの詩人オービッドは、メタモルフォセス(変身物語)で、天の川を神の道として記しました。

 澄んだ夜空に美しく輝く一本の道がある。これはミルクの道と呼ばれる。  自ら光を発し輝いていて、神々はその道を通って大神ゼウスの住家や王宮へゆく。  開かれた扉を通して、高貴な神々の通路がここに至る。  身分の低い神々は遥かに遠い所に住んでいるが、ここでは高名で力強い天の住民達が住家を構えている。  これは私が、偉大な空の王の領域と呼びたいと思っている区域 ...
◆◆









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