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七夕 と 天の川銀河 V


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天の川の雫

 七夕の朝早く、里芋の葉っぱについた露をあつめ、 その天の川の雫で墨をすり短冊に願い事をしたためると、その願いが叶えられるといいます。 ・・・福岡県 ◆◆





遊子と伯陽

 瓊(けい)という土地に、遊子と伯陽というとても仲の良い夫婦がいました。
夫婦共に月を愛し、夜毎2人で月を待っては愛でておりました。
 ある日、妻の伯陽は天に召され、後に残された遊子は嘆き悲しみ、せめて、月を妻の代わりにと、夜毎月を眺めて過ごしました。
 そんな日々が過ぎたある夜のこと、澄みきった空に浮かぶ月を眺めていると、一つの星が流れて、その星に妻が乗っていました。 懐かしい妻を見た遊子は、愛する妻に逢いたい思いが増し悲しみに暮れ、 自分も早く空に昇って妻と一つになりたいと祈り続けました。
 そしてある夜、遊子は死を迎え、鳥に乗って天へと昇って星となりました。 でも、妻のいる星とは、天の川を隔てた岸辺、2人はただただ両岸から思いを通わすのでした。

 天の川は帝釈天が毎日水浴びをするので、渡ることは許されていません。 でも、七月七日だけは、帝釈天が善法室へ出かけるため水浴びをしないので、 この日一日だけは、夫婦の星が川を渡って逢っても良いという許しが出ました。

 そして、その日には、何羽ものかささぎが羽を広げて橋となり、2人を渡してくれるそうです。  ・・・中国 ◆◆





水鏡に揺れる2つの星

 七夕の夜、桶の水鏡にうつる織姫と彦星。そっと、水面を揺らして...2つの星が逢えるように..。  ・・・日本 ◆◆





櫂(かい)の雫

 七夕の日、夜が更けてゆくにつれ衣が露に濡れてくるのは、 彦星が愛しい織姫に逢うために舟で天の川を渡るときの櫂の雫が降ってくるからです。 ・・・日本 ◆◆





七夕の素麺 .. 中国

 七夕に素麺を供えるという習慣の残る地方があります。
これは中国の古い言い伝えで、昔、高辛子という悪童がいて、七月七日に死んで小鬼となって疫病を流行らせました。 この小鬼が生前に素麺を好んで食べたというので、七夕には素麺を供えて祀り、 一般の人々も、この日素麺を食べれば疫病にかかることを免れると言われていました。 ◆◆





七夕の素麺 .. 日本

 東北のある地方の伝説です。
 夫が旅に出た留守に、村の若者達からいい寄られるのを辛く思った妻が、 我が身を守るため、川に身を投げて亡くなりました。 帰ってきた夫は妻の死を知り、悲観のあまり死んだ愛する妻の肉と筋を食べました。 この夫婦が後に女夫星(七夕星)となりました。
 七夕に素麺を食べるのは、その妻の魂を供養するものだといわれています。 ◆◆





銀河を旅した人 .. 中国

 漢の時代のことです。
 海のほとりに住んでいた男性が、毎年必ず八月になると、浮き木の流れてくるのを不思議に思い、 ある年、その浮き木を追って筏(いかだ)に乗り、川へ漕ぎ出しました。
 十日あまりの間は、太陽や月、星座などを見ることができましたが、その後はよく覚えていません。 それからまた十日あまりが過ぎたある日、城のある町に辿りつきました。
 そこは、機を織っている女性が多く、波打ちぎわでは一人の男性が牛を引いて来て水を飲ませているのを見ました。
 その男性に、「ここは何処ですか」と尋ねると、 「帰ったら蜀へ行って、厳君平に聞いてみるといい。きっと答えてくれるだろう」といいました。
 それで岸には上がらずに川をもとのように下って蜀に行き、天文の名人といわれた厳君平に尋ねたところ、 「ある年、ある月のある日、見なれぬ星が、牽牛星に近づいて行ったが、あの星があなたでしたか」と答えたそうです。 ◆◆





漢河の娘 .. 中国

遥か彼方の牽牛星
白々と流れる漢河の娘が
終わりなく はたを織る
牽牛と織女は遥かに相望み語りあえない
何の罪があって河すじで隔てられているのだろう
・・・古代中国の詩 ◆◆





天女の羽衣 .. 日本

 ある村に彦太郎という男が住んでおりました。ある日のこと、彦太郎が山仕事へ出かける途中、たまたま通りかかった泉で水浴びをしている天女に 一目で恋してしまいました。彦太郎は、天女と一緒になりたい一心で、天に昇る羽衣を隠し、その願い叶って天女を自分の妻にすることができました。

 そうして、二人は一緒に暮すうちに人も羨むような仲睦まじい夫婦となり、一男一女にも恵まれました。

 ところがそんなある日のこと、天女はどうしても天に帰らなくてはならなくなってしまいました。 彦太郎は慌てて二人の子供を連れて後を追いましたが、天女の居場所を目前に、悠々と流れる天の川を渡ることができません。 彦太郎と子供達は悲しみに暮れ、ひしゃくで天の川の水を全部汲み出してしまおうと、来る日も来る日も、天の川の水を汲みました。 でも、天の川の水は無くなることはなく、汲めども汲めども、そこには満々と水をたたえる天の川が横たわっているのでした。

 天の女神は、この天女を慕い愛するひたむきな彦太郎と子供達を見て心を打たれ、 一年に一度だけ、天女と彦太郎親子を逢わせる約束をしてくれたのでした。

 こうして、天女と彦太郎は星となり、子供達も彦太郎の両側に寄り添うように輝く星となったそうです。 ・・・日本 ◆◆





七夕の夜 .. 日本

 七夕の日に、七夕様は、愛しい恋人に逢うために夕顔の畑に下りておいでになります。
 その日、夕顔の畑に入ると体がとけてしまうから、絶対に畑に入ってはなりません。
 そしてその夜、夕顔の棚の下へ行くと、七夕様が天の川を渡ってみえる音が聞こえてきます。
・・・長野県安曇地方の言い伝え ◆◆





羽衣 .. 日本

 ある村に、カヘイという貧しいお百姓さんが住んでおりました。
 ある日、仕事を終えて家に帰ると、美しい女性が家の入り口にいて泣いていました。 その女性を一目で好きになってしまったカヘイは、 女性の身につけていた美しい羽衣を隠してしまい、天へ帰れなくしてしまいました。
 そののち、カヘイはその女性を自分の妻とし、七人もの可愛い子供を授かりましたので、 もう妻が天に帰ってしまう心配はないと思い、安心して羽衣を見せたところ、 妻は、「カヘイよ、七月七日にあずき畑で会いましょう」と言い残し、天へと昇ってしまいました。
 しかしカヘイはとても貧しく、七月七日に妻に逢いに出掛けて行きたくとも、 七人の可愛い子供達に着せてやる上等の着物も無かったので、 七月七日に古い着物を土用干ししてそれを着せてやりました。
 それを見ていた天の神さまは、カヘイ親子を不憫に思い、 さよひめ星となった天女のように、カヘイを彦星に、子供達をすばる星にしてあげました。

 そして、星になった天女とカヘイは、毎年七月七日に天のあずき畑で逢うので、 この日、あずき畑に入ってはならないといわれています。
・・・茨城県の伝説 ◆◆





もう一つの七夕伝説 .. 中国

 牽牛星の(わし座アルタイル)傍らに寄り添うように光る星ふたつ...牽牛の息子星と娘星と呼ばれます。 悠々と煌き流れる天の川の向こう岸には、子供達の母親、織女星(こと座ベガ)が艶やかに輝いております。

 昔々ある村で、牽牛という若者が、牽牛の兄である夫に先立たれた兄嫁と一緒に牛の世話をしながら暮しておりました。 この兄嫁がお金がないと言うので、牽牛は寒さをしのげるような着物ももたず、食べるものもろくに与えてもらえなくても、寒さに凍え、お腹を空かせながらも一生懸命牛の世話をしていました。

 そんなある日のこと、牽牛が牛を放牧しようとしたところ、どういうわけか、牛が家の方へ戻って行ってしまいました。 慌てて後を追って行くと、家の方からとても美味しそうな匂いがただよってきます。 不思議に思って家の中を覗いてみると、兄嫁がほかほかに焼けた饅頭をほおばっているところでした。 自分だけご馳走を食べているところを見られた兄嫁は、牽牛に向かって怒り狂うので、牽牛は泣きながら牛小屋へ逃げ込みました。

 すると、反省したのか、後から兄嫁が美味しそうな麺の椀を持って来ましたので、 牽牛はそれを食べようと箸をつけようとしたところに、不思議なことが起こりました。 年老いた牛が「食べるのをお止めなさい、その中には毒が入っています。早く私と一緒にここを逃げましょう」と言うのです。

 牽牛は長いこと世話をしてきた牛の言うことを信じて、家を後にしました。 途中、牛の不思議な力で銀を拾った牽牛は、家や土地を買ってやっと安心して暮せるようになりました。 そこで、牛が「後ろの山に池があって、そこへ仙女たちが水浴びにきます。その仙女の腰巻を隠して置きなさい。 そうすれば、仙女は天に帰れなくなって、きっとあなたお嫁さんになってくれるはずです」といいました。 牽牛は言われるがままに仙女の腰巻を隠して置くと、天に帰れなくなった織女という仙女が牽牛のもとへ来たので、この仙女と結婚しました。 こうして結ばれた二人は、仲の良い夫婦となって、一男一女に恵まれ、それは幸せに暮しておりました。

 ところが、そうしたある日のこと、いつものように牽牛が畑へ行って帰ってくると、子供達が泣きじゃくっています。 家に入ると、怒り狂った天の西王母が妻を捕まえていました。 西王母は、「この娘は天に属する者、天に帰らなければならぬ」と言い放って、織女を連れて天に昇ってゆきました。 途方に暮れた牽牛は、子供達の手を引き、牛にもらった空を飛ぶ靴を履いて、天へ昇って星になりました。 でも、織女の居場所と、牽牛と傍らの子供達の間には、決して渡れぬほどの大河、天の川が横たわっています。

 それから長い年月が過ぎましたが、今だ、けなげに向こう岸の織女を慕い見つめ続ける牽牛親子に胸を打たれた西王母は、 年に一度だけは家族が再会できるようにしてあげたそうです。

 それが七月七日、織女と牽牛、そして2人の子供達が愛しい人と逢うことを許された大切な夜なのです。

・・・中国 ◆◆









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